肖像権に関する代表的判例

パブリシティ権(財産権)

おニャン子クラブ事件

この事件は、カレンダー販売業者が人気アイドルグループ「おニャン子クラブ」のメンバー5名の氏名や肖像を使用したカレンダーを無断で発売したことに対し、この販売業者を相手方として、当該メンバーが損害賠償、カレンダーの販売の差止めおよび廃棄を求めたものです。

裁判所は、次のように、おニャン子クラブのメンバーらの損害賠償のほか、カレンダーの販売の差止めと廃棄を認めました。
「固有の名声、社会的評価、知名度等を獲得した芸能人の氏名・肖像を商品に付した場合には、当該商品の販売促進に効果をもたらすことがあることは、公知のところである。そして、芸能人の氏名・肖像がもつかかる顧客吸引力は、当該芸能人の獲得した名声、社会的評価、知名度等から生ずる独立した経済的な利益ないし価格として把握することが可能であるから、これが当該芸能人に固有のものとして帰属することは当然のことというべきであり、当該芸能人は、かかる顧客吸引力のもつ経済的な利益ないし価値を排他的に支配する財産的権利を有するものと認めるのが相当である。したがって、右権利に基づきその侵害行為に対しては差止め及び侵害の防止を実効あらしめるために侵害物件の廃棄を求めることができるものと解するのが相当てある。」

この判決は、訴訟において初めて裁判所が顧客吸引力のもつ経済的な利益ないし価値を排他的に支配する権利に基づく侵害行為の差止請求を肯定したものであり、この事件以降、パブリシティ権侵害に基づく差止請求が裁判上も定着していくこととなり、今日のパブリシティ権を確立することとなる判決だといえます。