肖像権に関する代表的判例

パブリシティ権(財産権)

ピンク・レディー事件

この事件は、ピンク・レディーの振り付けを利用したダイエット法を紹介する記事において、ピンク・レディーの写真を使用したことについて、雑誌出版社を相手方として、損害賠償を求めたというものです。3ページにわたる記事の中に14枚の白黒の写真が使用されていました。

最高裁判所は、「人の氏名、肖像等は、個人の人格の象徴であるから、当該個人は、人格権に由来するものとして、これをみだりに利用されない権利を有すると解される。そして、肖像等は、商品の販売等を促進する顧客吸引力を有する場合があり、このような顧客吸引力を排他的に利用する権利(以下「パブリシティ権」という。)は、肖像等それ自体の商業的価値に基づくものであるから、上記の人格権に由来する権利の一内容を構成するものということができる。」と述べ、パブリシティ権があることを認めました。
そして、パブリシティ権を侵害する行為として、①肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し、②商品等の差別化を図る目的で肖像等を商品等に付し、③肖像等を商品等の広告として使用するなど、専ら肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするといえる場合であると判断しました。ただし、この事件では、パブリシティ権の侵害を否定しました。

これまで、地方裁判所、高等裁判所では、パブリシティ権が認められてきましたが、最高裁は、ブブカスペシャル事件でパブリシティ権を侵害するとの高裁の判断を肯定したことがあるだけで、明確にパブリシティ権を認めたものはありませんでしたが、この判決で最高裁がパブリシティ権を初めて明確に認めました。また、これまで肖像等の商品化と広告利用がパブリシティ権侵害となることは確立していましたが、出版物については、侵害の判断基準が明確ではありませんでした。最高裁は、肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用する場合もパブリシティ権侵害となることを明確にしました。